「そうそう。やればできるじゃありませんか、奥さん」
「そ、そんなこと、は……」
したり顔で笑う黛に、希恵子は目の置き場がなさそうに首を横に向ける。
「ふふ」
隙を突くように、黛が無防備にさらけ出された耳へと舌を伸ばした。
「ひっ!」
希恵子のあごがびくっと跳ね上がり、背筋には不快な怖気がぞくぞくと走る。
「おお、こんなところまでいい味なんですね、奥さんは」
耳の縁を舐め回し、穴に舌をねじ込み、耳たぶをくにくにと甘噛みしながら言うと、
「はい、こっちも」
黛は希恵子の首をひょいとひねって、もう一方の耳も同じようにたっぷりとねぶり尽くしてみせた。
「う、う、うぅん……」
気持ちよさと気持ち悪さを同時に味わわされ、希恵子がもじもじと身体をくねらせる。
「さて、ではそろそろイくとしましょうかね」
言い放つと、黛はいよいよ力を入れて希恵子の尻をわしづかみにした。
「ひぐっ!」
「ほら、もっとくっついてください」
喘ぐ希恵子の腕を首に絡めながら、さらにピッチを上げてラストスパートをかける。
「そら、出しますよ。また、中に出します。全部受け止めてください」
「んっ! んんっ! んぁっ! あっ! あぁあっ!」
射精へのカウントダウンを存分に堪能する黛に対して、希恵子は訳も分からず、ただ嬌声を張り上げながら腰を振るばかり。
「ふぉっ……と」
ほどなく、黛の白い花火がたっぷり打ち上げられ、
「んっ! あっ! あぁっ! ああああぁっ!」
同時に絶頂を迎えた希恵子が、糸の切れた操り人形のようにがくんと崩れた。
「おっと」
太く鍛えられた腕で落ちた身体を支えると、
「よかったですよ、奥さん。固かった穴もすっかりなじんで、実にいい感じでした」
黛は射精の余韻を楽しみながら、そっと語りかけるように希恵子へ耳打ちする。
「……」
希恵子は、何も答えられない。
「ふふ、すっかりとろけてしまいましたね、奥さん。ではもう少しこのまま抱き合ってから、二人でシャワーを浴びることにしましょうか」
「……はい……」
もはや思考もままならぬ希恵子にできるのは、ヴァギナに肉棒を呑み込んだまま、黛の肩にそっとしなだれかかることくらいであった。
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