「は、始めます」
足元のプラスチックボトルに手を伸ばすと、上部のポンプを何度も押す。
「っ、と……」
大量に飛び出たボディーソープを、洗面器の中でくちゅくちゅこすって泡を立てた。
「ま、まず最初に……身体を、洗います、ね」
たどたどしく口上を述べると、黛の胴、手足、そして股間へと石鹸を塗りたくっていく。
続いて自分の身体も真っ白な泡で覆うと、
「う、腕から、いきます」
まずは黛の右腕をむっちりと肉づきのいい太股に挟んだ。
「んっ……」
ゆっくりと体重を移動して、洗い始める。
(うぅ……)
泡のおかげで動き自体は滑らかだが、恥ずかしい上に敏感な部分がこすれるので、希恵子は何だか腰回りが落ち着かない、こそばゆい気分になった。
「次は、こちらを……」
左腕も洗い終えると、今度は黛の太股にまたがり、前胴と足を洗浄にかかる。
「ん……んっ」
至近距離にある黛の顔には一切目もくれず、希恵子はただ身体を動かすことに集中した。
たわわな二つの乳房に加えて、最近僅かながら肉が乗った気がするお腹まで駆使しながら、黛の締まった肉体を丹念に磨き上げてみせる。
「えっと……」
ひとしきり前を洗い終えて、背中へ回った。
「……?」
ふと視線を感じて、希恵子が動きを止める。
(あ……)
曇って水滴の浮く鏡に映っていたのは、黛のにやけた微笑。
その表情は性的な快感に浸っているだけでなく、どこか希恵子を虐めること自体を楽しんでいるようにも見えた。
「……どうしました?」
「い、いいえ」
質問に小声で返すと、希恵子は黛の背中に胸を押しつけ、脇の下に腕を通す。
「失礼……します」
そびえる一物を右手で優しくしごきながら、8の字を描くように二つの膨らみをぐりぐりと回転させた。
「っ……ん……」
何度もそんな動作を繰り返すうちに、希恵子の口から甘い吐息が漏れ始める。
(い、いけない、いけない)
唇をきゅっと噛み締め、辛うじて理性を保つと、黛の前に移動してシャワーを用意した。
「な、流します」
「はい、よろしく」
適温に調整されたお湯がぱしゃぱしゃと床に跳ね、二人の身体についた白泡が、その場から逃げ出すように排水口へと流れる。
「いやあ、石鹸のおかげでますますいい揉み心地ですね」
黛はそんなことを言いながら、シャワーを浴びている間中ずっと希恵子のふかふかした胸を満喫していた。
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