今すぐ、龍星を殴り飛ばしてでもこの乱暴なまぐわいを止めたいが、いかんせん身体が言うことを聞かなかった。まるで見えない縄にでも縛られたように固まって、ぴくりとも動こうとしない。
「にしても、ほんとエロいケツしてんな、おばさん。見てたら何かむかついてくる、ぜっ!」
ぷりんとした千織の尻っぺたに、龍星が痛烈な平手打ちを浴びせる。
「ひいっ!」
「お、いい鳴き声だ! ほら、もっと鳴け! そら! そら! そら! そらぁ!」
「ひっ! ひぃっ! いや、いやああぁっ!」
調子に乗ってはたきまくる龍星に、千織は普段の柔和な姿からは想像もつかない金切り声をあげた。丸く豊かな臀部が手形にまみれ、みるみるうちに猿の尻みたいな朱へと染まる。
「出すぞ、出すぞ! 中に出すぞ、おらぁ!」
龍星は絶叫しながら大きく足を開き、膝を直角に曲げた。間違いなく、射精に向けた本気のピストンだ。
「ひ、んっ! んぁあっ! なっ、中は! 中はだめええっ!」
「うるせえっ! 生中出しじゃなきゃヤる意味ねえだろうが!」
半狂乱でわめく千織にそう言い放つと、龍星は凶暴な肉塊をさらに奥へと突き立てた。
「ひひ、ふん、ふん、それ、それ、そぉれ!」
「や、だ、ダメ……う、あっ、あん、ああぁっ!」
スパートをかけるように剛直を叩き込まれ、千織の嬌声が一気に激しさを増す。
――そして、その瞬間。
「おらおらおらおらおらぁっ!……う、うぉうっ!」
龍星の動きが、急ブレーキをかけられた自動車のようにがくんと止まった。
「くっ、くぉっ、おぅ……」
勢いよく頭を持ち上げると、不気味な奇声を吐き散らしながら、びくっびくっと何度も身を震わせる。
「あっ、あん! あぁあんっ!……あ、あつ、い……」
龍星の律動に合わせてしなやかな肢体を引きつらせると、千織は恐怖と悦楽がごちゃまぜになったようなささやきをぽつりと地面にこぼした。
(あ、あいつ、本当に中に……!)
友樹は、身体にある全ての器官がぐらぐら煮えたぎるような感覚に襲われた。
怒りに屈辱、絶望と無力感。様々な感情がるつぼのように入り混じって、乱れ打ちにされた早鐘みたいにがんがんと鼓動が鳴る。
(か、母さん……)
絶頂に身悶えする千織の嬌態が、みるみるうちに闇の向こうへ遠ざかっていった。
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