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奪われた女たち――母は、親友と――・2

          2 悪夢と現実

「実はさ、友樹」
 テーブルについた龍星が、薄笑いで口を開いた。
「俺たち、付き合ってるんだ」
 軽い調子で言うと、隣に座る千織の肩をひょいと抱き寄せてみせる。
「え? ど、どういう、こと……?」
「どういうことって、だからさ」
 事態を飲み込めずに固まる友樹を見下すように笑うと、龍星は千織の脇下にねじ込んだ手を右乳へ伸ばした。
「こういうことだよ」
「ん、うぅんっ……」
 服の上からでも分かる豊かな膨らみがぐにゃりと歪んで、母が鼻にかかった吐息をこぼす。
「え、え……?」
 眼前の展開に、友樹は言葉を失った。なぜこんなことになるのか、理解がまるで追いついてくれない。
「へへ、相変わらずのんびりしてるな、友樹は」
 自分の所有物だと誇示するように、龍星は千織の乳房をたぷたぷとすくい上げた。
「そんなだから取られちまうんだよ。大好きな母ちゃんをさ」
 胸を握ったまま首筋に舌を這わせると、薄めの耳たぶを味わうようにくにくにと噛む。
「やっ……やめっ……」
 龍星の淫行に、千織は身体を振って抵抗した。叱るような目で睨みながら、何度もその手をはねつけようと試みる。
「ほら、こっち」
 空いた左手で千織のあごをつかむと、龍星は抵抗をねじ伏せるように正面を向かせた。
「ふひひ」
 不気味な笑い声をあげながら、舌技の集中砲火を始める。
「ふっ、ふぅっ、んっ、ぷはっ……」
 まずは千織の顔の至るところに唇を押しつけ、その隅々までをたっぷりとねぶった。
「あっ……んっ……や、いやっ……」
 ねちっこい吸着音に、龍星を拒絶する母の声が重なる。
「へへ、まだまだ」
 ねっとりと糸を引く龍星の唾液に、千織の滑らかな肌がべたべたと汚れた。ついばむような口づけの音に、時折ちゅうううっと皮膚を吸い上げる不快な音が混ざる。


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[ 2017/10/16 15:21 ] 奪われた女たち 母は、親友と | TB(-) | CM(0)
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