「おねだり、してごらん」
柔らかな口調で、黛が言いつける。
「お、おねだりって……そんなの、何て言えば……」
希恵子は戸惑うように黛の顔を見やった。和臣はもちろんだが、黛自身だって今までこんな要求を突きつけてきたことは一度もなかった。
「ふむ、そうだな……」
しばし推敲を重ねた末、黛が希恵子の耳元にぼそぼそと囁きかける。
「なっ!」
憤怒と羞恥心を足して二で割ったような目で、希恵子が黛を睨みつけた。
だが、黛の態度に相手の意向を斟酌する気配は微塵もない。
「では、どうぞ」
軽い調子で言うと、あとは希恵子の反応を待つように上からじっと見下ろすばかりだ。
「っ……」
希恵子は、喉に異物がこみ上げてくるような息苦しさに襲われる。
言いたくはない。
こんな台詞、恥ずかしくて恥ずかしくて、とても口にできるものではなかった。
(でも……)
断ることなんて、できるのだろうか。
それはこれまで何度も、希恵子が心の中で繰り返してきた、問い。
そしてその質問に対して自分が選べる答えは、いつだって一つしかなかったのだ。
「わ……」
凍りついた扉を無理やりこじ開けるように、希恵子が口を開いた。
「わたし、古沢和臣の妻、希恵子は、今から夫婦の寝室で……匡一さんの立派なオチンチンを入れてもらって、たっぷり……中、出しを……してもらいたいと……思います」
やっとのことで言い終えると、足を持ち上げたままの体勢で、自分の割れ目に指を伸ばす。
「どうぞ……入れて、ください……匡一さん」
見せつけるように女穴をぐいと拡げ、最後の一言を吐いた。
「よく言えたな、希恵子。じゃあ、ご褒美だ」
満悦の笑みを顔面にたたえながら言うと、黛がゆっくり、味わうように一物を挿入する。
「何だ、もうとろとろじゃないか」
冷やかすように笑うと、軽いピストンで希恵子の弱点をつんつんと突いてみせた。
「んっ、うぅんっ! あっ、あぁっ!」
たったそれだけの動きで、希恵子は早くも軽い絶頂を迎えてしまう。
黛のペニスをきゅうきゅう締めつけながら、奥へ奥へと引っ張り込むように濡れた肉ひだをまとわりつかせた。
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