「ふむ……」
希恵子の葛藤をよそに、黛はあくまでも冷静であった。
「奥さん、そろそろイきそうでしょ?」
一物の興奮具合とは正反対の落ち着いた低音で、希恵子の耳元にそっと囁きかける。
「なっ……!」
「ふふ、やっぱり」
希恵子の狼狽を楽しむように眺めると、黛は腰の動きを少しだけ緩めた。
「私ぐらいになると分かるんですよ。相手がどれくらい感じているか、程度のことはね。特に奥さんみたいなタイプの反応は簡単に読める」
自慢げに言うと、希恵子のたっぷりした乳房にひょいと両手を伸ばす。
「例えば、こう」
乳輪の縁を指先でつつ、と撫でてから、ぴんと立った乳首をひねり倒すように摘んだ。
「あ、ああぁっ!」
過敏に反応した希恵子が切なげな声をあげ、もどかしそうに身をよじる。
「ふふ、やはりそうなりますよね。いいですよ、奥さん。そういうの、好きです」
眼前の人妻が見せる色気たっぷりの痴態に、黛はいっそう興奮をかきたてられたような目でにやりと笑った。
「さて、ではぼちぼち記念すべき一発目、いってみますかね」
笑顔のまま宣言すると、さらに調子づいた動きでますます激しいピストンを続ける。
「んっ……うあぁっ……あっ……ああぁっ!」
際限なく突き上げる快感を握り潰すように、希恵子が両手でぎゅっとシーツをつかんだ。
「ほら、そろそろイくぞっ!」
膣の内側で激しく動く黛の分身が、その声とともにさらに怒張を強める。
「ん、んんっ!」
襲い来るアクメの波に飲まれながら、希恵子は射精の予感を全身で受け止めた。
「そっ、外、にっ……!」
最後の力を振り絞ってそう叫んでみたものの、それが何の意味も持たない言葉であることは希恵子自身、とっくに分かっている。
そして訪れた、その時。
「ふんっ!」
黛のペニスから熱い白濁が猛烈な勢いで放たれると、
「んっ!……あ、あっ、あああああぁっ!」
希恵子は一度大きく身体を反らし、直後、意識が飛びかけるほど強烈な絶頂を迎えた。
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