龍星は苦笑を浮かべると、困ったように首を傾げた。
「あのね、千織さん」
両手でしっかり千織の手を包むと、真剣な表情で懇々と語る。
「確かに千織さんは俺より年上だよ。でもそんなのは何の問題にもならない。俺はいつだって千織さんが一番綺麗で、素敵で、魅力的だと思ってるんだ」
「う……うん」
若い男の情熱的な言葉を、千織は頬を火照らせ、目を潤ませながらじっと聞いた。
(もしかしたら……)
自分はいつでもこういう言葉を聞いていたいのかもしれない。
そんな考えが、頭の奥をよぎる。
「魅力的な年上の女」であることは、長い間一人の母でしかなかった千織にとってハードルの高い要求だ。
龍星の初めてをもらった時はうまくやれた気もするが、それは相手が女慣れしていなかっただけのこと。龍星が男としてどんどん成長するにつれ、自分一人置いていかれるという不安は増すばかりだった。
(だから……)
自分はいつも、龍星を試すようなことを言ってしまうのかもしれない。
歯の浮くような台詞を大真面目な顔で何度でも言ってくれる龍星を前にすることで、揺れる自分を少しでも落ち着かせてやりたいのかもしれなかった。
(ダメね、わたしったら……こんな若い子相手に甘えちゃって)
つい、自虐的な気分になってしまう。
(でも……)
それが、鰐渕龍星という人間の魅力なのだ。
見た目は軽そうだが、実は他人の気持ちをちゃんと考えられる聞き上手。息子の同級生とは思えない包容力、度量の広さは男として文句なしのレベルと言っていい。
(だったら……)
できる限り、応えてあげたい。
偽りのない気持ちとして、千織はそう思う。
龍星はこんな自分に魅力を感じて、それを最大限の態度と言葉で表現してくれているのだ。一人の女として嬉しくないはずはなかった。
「だからさー、ほら、見せてよー」
「もう……ほんとにエッチなんだから……」
せかす龍星に口を尖らせて応じると、千織は観念したようにスカートへ手を伸ばし、ブラとセットになった純白のパンティーをさらけ出した。
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