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奪われた女たち――母は、親友と――・10

          3 龍星、回想

 再会は、本当にただの偶然だった。
「あら?……ひょっとして、龍星くん?」
 駅の構内でそう声をかけてきた千織は、昔と変わらず明るくて綺麗な大人の女性だった。
「お……おばさん?」
 千織を見た時、龍星の胸に沸き起こった感情はまず懐かしさ。そしてかつてほのかに憧れた女性と再会できたという純粋な喜び。
「立ち話もなんだし、ちょっとそこの喫茶店でお茶でもしましょうか。龍星くんの近況とかも色々聞かせてほしいし」
「うん、いいね」
 だから、お茶に誘われても二つ返事でついていった。
 やましい気持ちなど、あるはずもない。
 互いの近況報告と軽い世間話でもして、それで終わり。本気でそう思っていたのだ。
 ――千織の口から、あの言葉を聞くまでは。
「友樹は元気?」
「ええ、多分」
「多分?」
「あの子、今遠くの大学に通っていて、連絡も全然ないから……メールくらいはできるけど、勉強の邪魔をするようでこっちからは何となく出しにくいし……」
「……」
 淋しそうに語る千織を見つめるうち、龍星は自分の中で何かがごとりと動くのを感じた。
「だから龍星くんを見かけた瞬間、おばさんすぐに声かけちゃった」
「そっか。嬉しいよ、俺、こうしておばさんと話ができて、本当にすごく嬉しい」
 自分でも驚くほどに、迷いはなかった。憧れのまま消えたはずの淡い思いは、いつしか現在進行形の恋愛感情へと上書きされていた。
 二人が男女の仲になるまでに、長い時間は必要なかった。
 龍星はできるだけこまめに連絡を取るように心がけたし、千織もあれこれと理由をつけては二人で同じ時間を過ごせるように気を遣ってくれた。
 軽薄そうな見た目で誤解されがちだが、龍星は童貞だった。
 奥手な性格の上に、中学卒業後に就職したのは男だらけの小さな土木会社。恋愛につながる出会いなど、とうてい望めるはずもなかった。
 だから、千織と結ばれた時は本当に嬉しかった。
 数多く身体を重ねた今も、初めて千織を抱いた日のことは鮮明に思い出すことができた。


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[ 2017/10/24 12:11 ] 奪われた女たち 母は、親友と | TB(-) | CM(0)
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