「う、うぅ……」
全裸にM字開脚の希恵子が、ベッドの上に座り込んでいる。
「ふふ。素敵な格好ですね、奥さん」
椅子に腰掛けた黛が、その姿をにやにやと観賞していた。
「さて、と。ずっとこうしていたいがそうもいきません。ぼちぼち始めましょうか」
黛がすっと立ち上がる。
「は、始めるって……何を?」
「ふふ、なーに、大したことじゃありませんよ」
戸惑う希恵子にあっさり答えると、洗面所に置かれたアメニティをがさがさと漁り始めた。
「お、あったあった」
秘密道具よろしく取り出されたのは、使い捨ての安全カミソリとシェービングクリーム。
「こいつに、ちょっとばかり活躍してもらうだけです」
二本の指先で柄を摘み、まるでペンライトでも振るようにカミソリをちらつかせると、黛はほくそ笑むような顔で希恵子にそう語りかけた。
――そして、数分後。
室内に、希恵子の陰部を鋼の刃で撫でる音がしょりしょりと響く。
「奥さんは元々薄いんでね。やりやすいですよ」
「……」
黛の言葉にも、希恵子は口をつぐんだまま身動き一つしなかった。
土手周りを走るカミソリの感覚が何ともむずがゆいが、ここで下手に動いて大事なところを切られでもしたら、それこそ一大事である。
「ふむ、我ながらいい仕上がりですね」
手際よく希恵子の陰毛を剃り終えると、黛は満足げに一言呟いた。
「では、こちらへ」
希恵子を風呂場へ導き、シャワーノズルを手に取ると、洗髪する床屋のように慣れた動きで股に残ったクリームをさらさらと洗い流す。
身体を拭いて、再びベッドに戻った。
「見せてください。自分で支えて」
「……」
仰向けの体勢で膝下から両足を抱えると、希恵子は黛に命じられるまま、つるつるの性器を見せつけるように足を開く。
「では、仕上げに入りますか」
そう言ってにたりと笑うと、黛が希恵子の股間にゆっくりと顔を近づけた。
「ふんっ……!」
始まったのは、クンニ。
剃り跡に唇を張りつけると、毛根ごと引っこ抜くような勢いで皮膚を吸い込んでいく。
「んんっ……」
いきなりの口撃に、希恵子があごを上げて小さく呻いた。
「ふむ。まだ足りませんかね」
一旦顔を離した黛が、希恵子の恥骨を撫でながら首を傾げる。
「では、もう一度」
さらに強く唇を押しつけると、ちゅうちゅう詰まった音を立てながら、貪るように希恵子の土手回りを吸い尽くした。
「うん、いいですね。これなら十分でしょう」
自らの作品に納得した芸術家のように腕組みをしながら、黛が何度も首を縦に振る。
「……」
希恵子は無言のまま、ひりひりとした痛みが残る自分の股ぐらを、恐る恐る眺めた。
「!」
それはいわゆる、キスマーク。
まだクリームの匂いが残る希恵子の股間には、ジャングルの蛭を思わせる黛の痕跡が一点、ごまかしようがないほどにくっきりと赤く、刻み込まれていた。
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