「へへ、そっちもだいぶ発情してきたようだな。スケベなメスの匂いがぷんぷんするぜ」
露木はじっとりと汗ばんだ咲野子のうなじにべろりと一つ舌を這わせると、
「よし、このまま抜かずにもう一発だ」
今度は逆方向に身体を反転させ、上になった咲野子の股に腕を挟んで二本の足を高々と持ち上げてみせた。
「そら、よっ!」
「あ、あぁあっ!」
広げた大股と、それを貫く屹立した肉塊。
ぐちょぐちょと湿った音を立てる結合部をドアの向こうへと見せつけるような体勢で、再び抽送が始まる。
(ま、まだやるのか……)
雅文は青ざめた顔で、瞬きもせずに二人のまぐわいを見つめた。
薄暗い部屋にぼんやり浮かぶ咲野子のヴァギナは、精液と愛液の混ざった汁を泡立てながら初めて味わう性の悦びを貪るようにひくひく蠢いている。咲野子の肉体が露木の凶悪な男根を受け入れ、めくるめく快感を得る糧としていることは、もはや誰の目にも明らかに思えた。
「ひっひ。澄ました顔して、実はとんでもない淫乱女だな、お前。もうすっかり俺のこいつになじんでやがる」
楽しそうに言葉でいたぶりながら露木が乳房を乱暴に揉みしだくと、
「あ、んっ……!」
吐息を思わせる咲野子の喘ぎに、痺れるような快楽の香りが混ざった。
「そら、そら、そらっ!」
「んっ、んぁんっ、あぁんっ!」
双丘をわしづかみにされたまま、ぐぼぐぼと音がするほどしつこく女の穴を突かれるうち、咲野子の声色はだんだんと濃い享楽の気配を帯び始める。
「へへ、今度はこっちだ」
露木は咲野子を起こしてろくろのように回すと、前向きの騎乗位へと体位を変えた。
「自分で腰を振ってたっぷり搾り取ってみせろ、そら」
「あ、あぁんっ!」
せっつくように真下から突き上げられた途端、咲野子が堰でも切ったようにぐりんぐりんと激しく腰を動かし出す。
「うお。すげえな、これ」
露木が気持ちよさそうに両目を細めた。よく見れば、何度も深く呼吸をして、どうにか湧き起こる射精感をなだめすかしているようだ。
(咲野子があんな……あんな風に……)
雅文が悔しそうな顔で、ぎゅっと唇を噛んだ。
男の固いペニスを胎内に飲み込み、食らい尽くすようにしごき上げる咲野子。
これまでずっと眠らせていた獣の性を解き放ったその姿は、自分がいくら交わっても決して拝むことのできなかったもの。まさしく未知の光景に他ならなかった。
「そら、出すぞ! 全部受け止めろ! いいな!」
「あ、あんっ! あ、あ、あ、あっ! あぁんっ!」
小刻みに天を突いてラストスパートをかける露木に、咲野子が前のめりの体勢で尻肉を強く叩きつけて応じる。
「くっ! くぁっ!……あっ、あぁっ……!」
露木が最後の大放出を果たした。
「あっ! あぁっ!……んっ、んぁあっ……!」
胎内に白い花火をどくどくと打ち上げられた咲野子が、電流でも浴びたようにびくびくっと身体を硬直させる。
(あ、ああ……また……)
暗澹とした絶望感に襲われる雅文をよそに、寝室内はそれまでの激しい衝突音が嘘のような気怠い静寂に包まれた。
「ふぅ」
「あ、あう……うぅ……」
射精の余韻に浸る露木の上で、咲野子は動くことができずにいた。強烈な絶頂感にすっかりあてられてしまったのか、ペニスも抜かず、ただぴくぴくと、陸に打ち上げられた魚のように身悶えるばかりだ。
「へっ、まあいいだろう。とりあえず、娘には手を出さないでおいてやるよ」
起き上がった露木が、咲野子の髪を軽くなでつけながら、どす黒い笑みで歪んだ唇を耳元に近づけた。
「学園のアイドルだったあの咲野子を好きにできる。このシチュエーションだけでしばらくは十分興奮できそうだしな」
「あ、ありがとう……ございます……今後も精一杯、ご奉仕させて……いただきます……」
もつれる舌を必死に回して、咲野子がたどたどしく露木に謝辞を述べる。
(さ、咲野子……咲野子……)
ドア一枚を隔てた廊下では、雅文がなすすべもないまま、まるで制御を失った機械のようにがたがたと身を震わせていた。
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