だが、次の瞬間。
「ほっほ、なかなかいいですね。奥さん、どんどんうまくなってるじゃありませんか」
「!」
黛の一言に、希恵子がかっと目を見張る。
(あ……)
数秒もしないうちに、我へと返った。
黛に対し、一生懸命奉仕する自分。
うまくできないことを恥ずかしく思って、改善を図る自分。
気がつけば、肉欲の虜となったようにこの男の剛直を喉の奥まで咥え込んでいる、自分。
黛のされるがままに時を過ごすはずが、実際はまるっきり逆ではないか。
「……」
全てが恥ずかしくて、情けなくて、惨めだった。
こんな卑劣な男に精一杯尽くして快感を与えている自分が、たまらなく汚れた存在に思えてならなかった。
――こんなの、最低。
「っ……」
心の呟きを思わず声に出してしまいそうになり、希恵子は慌てて口をつぐむ。
「そ、そのまま……仰向けで」
動揺を取り繕うように、急いで次の動作へと移った。
「ん、しょっ」
前を向いて騎乗位の体勢をとり、素股を始める。
間違って入れないように気をつけながら、太股、さらに肉ひだと陰毛も使いこなして、黛に刺激を与えた。
「よっと」
黛が不意に、腹筋運動でもするように上半身だけを起こす。
「……」
物欲しそうな目をしながら、希恵子の唇をじっと見つめた。
「っ……んっ……」
もちろん希恵子も、その視線に気づく。
黛が何をしたいのか、自分に何を求めているのかはすぐ理解することができた。
「あっ……んぁっ……」
しかし、希恵子はさりげなく顔の向きを変えて黛を無視する。
唇だけは、許さない。
断じて、認めない。
今の希恵子にとってはその意志こそが、自身の誇りを保つ最後の砦であった。
「ふん……」
希恵子の心情を察したのか、黛は無感情に一言そう呟くと、握り潰すように尻肉をつかんでそのままペニスを挿入した。
「んっ!」
「ふっ、ふっ、ふっ、ふんっ!」
突然の攻勢に不意を突かれ、驚いたように顔を歪める希恵子を、しばらくの間荒い上下動で徹底的に突きまくる。
――そして。
「んっ、んんっ、あっ、ああぁっ!」
「ほら、出すぞっ!」
喘ぐ希恵子を突き放すように叫ぶと、黛は無表情のまま、白い濁りを子宮の奥深くへと打ち込んでみせたのであった。
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