NTR文芸館

寝取られ・寝取り・寝取らせなどをテーマに官能小説を書いています

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奪われた女たち――ある妻と娘の場合――・1

          1

 手狭な2LDKのマンション。
 十畳ほどしかないリビングで、三人と一人がテーブルを挟んで向き合うように座っていた。
「そ、それは、その……」
 実原雅文(さねはらまさふみ)は、着古しのポロシャツから飛び出た人のよさそうな丸顔を青くひきつらせながら、対面に座る男をちらちらと上目遣いに見やる。
「今日こそはしっかりとお返事をいただきますよ、実原さん。全財産を僕に譲り渡して借金の返済にあてる。不足の三千万円分は奥さんと娘さんの労働力により支払う。こちらが提示している条件は初めからずっと同じで、これからも変わることはありません」
 陰険そうな細い目を勝ち誇るように光らせて語ると、露木和鷹(つゆきかずたか)は最高級ブランドのスーツに包まれた細身の体をゆっくり前に傾け、つまり、と続けた。
「あとはあなたの、いや、あなた方ご家族の腹一つ、ということなんです」
 見た目の印象通り冷酷な、唇の片端だけを上げる微笑を浮かべて、雅文の両横に並ぶ二人の女性をじろじろと不躾に見比べる。
「……」
「っ……」
 妻の咲野子(さやこ)はさりげなく、娘の真穂(まほ)は恐怖をあらわに、それぞれ無言で露木から目を逸らした。
 咲野子は三十八歳になるが、凛とした美貌と背中に伸びた艶やかな黒髪、地味なブラウスとスカートの上からでも分かるスタイルのよさは今でも男の目を惹きつける。色の白さと上等な絹を思わせる肌のきめは、まだ二十代といっても十分通用する質の高さを保っていた。
 一方真穂は、母とは対照的に外見も性格も柔和でおっとり。こんもりと盛り上がった両胸を筆頭にむちむちと肉感的な肢体を持っているが、若い娘らしい恥じらいが今日も彼女に身体のラインが目立たないゆったりサイズのワンピースを着用させている。
「……ふん」
 母娘のすげない反応に、露木は眉をぴくりと上げて一瞬不快そうな顔を見せたが、すぐ気を取り直して雅文へと向き直った。
「で、どうなんです? 実原さん」
「い、いや、その……できれば、もう少し待っていただけないかと……仕事も首になって……あ、いえ、でもお金の方は何とかして必ず返しますんで……何というかその、ご慈悲を……」
「ご慈悲って、バカも休み休み言ってくださいよ、実原さん」
 しどろもどろに、それでも必死に譲歩を引き出そうとする雅文を、露木は残酷な言葉で一刀両断に斬って捨てた。
「今回の件、僕はこれ以上ないほどの慈悲をもってことに当たっています。他の人が相手ならとっくの昔に身ぐるみはいで表に放り出しているところですよ。なのに、今回に限ってそれをしないのは、奥様が僕の同級生で決して知らない人ではないからなんです。もっとも……」
 言い聞かせるように淡々と語ると、皮肉っぽい目つきでじろりと咲野子をねめつける。
「奥様は僕みたいな雑魚のことなんか、これっぽっちも覚えておられないようでしたが」
「……」
 咲野子は相変わらず無言で顔を横に向けたままだが、不規則に泳ぐ目線からは隠し切れない動揺を読み取ることができた。
 咲野子と露木は、間違いなく高校の同級生である。そのことは、雅文も咲野子のアルバムを見せてもらって確認した。
 雅文は咲野子の四歳年上で、社会人になってから付き合い始めたため、妻の学生時代はよく知らない。しかし、皆の人気者で生徒会長も務めたという咲野子に対し、露木の方は本人曰く「暗さと影の薄さだけが取り柄の生徒A」。互いの印象度に差が出るのは当然に思えた。
『そういえば高校の頃、誰かに見られている気がすることがよくあって、その視線が冷たいというか、すごく怖い感じがしたんだけど、あの人の目つきにそれと同じものを感じて――』
 初めて露木が自宅を訪れた後、咲野子は不安そうな顔でそんな言葉を口にした。
 雅文はその時、気に病まないように慰めることしかできなかったが、妻の態度から察するに目線の正体は眼前で不遜に笑う露木と見て間違いなさそうであった。
「やれやれ、仕方ないですね」
 露木が呆れたような口ぶりで、わざとらしくため息をつく。
「もう遅いですし、今日はこの辺にしておきましょうか。明日、また同じ時間に――」
「ま、待ってください」
 椅子から腰を上げて玄関に向かおうとする露木に、咲野子が突然声をかけた。
「その……今晩、こちらにお泊まりいただくことはできませんか?」
「……ほう?」
 露木の身体が、巻き戻しのように再び椅子へと沈む。
「明日の朝一番に、結論をお伝えします。ですからどうか、今晩はこちらで……」
 静かな口調で、しかし毅然とした意志を漂わせながら、咲野子は露木に語りかけた。
「……ふむ」
 腕組みをした露木が、尖ったあごをつるりとなでつけながら、何か思案でも巡らせるようにしげしげと咲野子を眺める。
「……ま、いいでしょう。僕も決してヒマじゃないんですが、学園のアイドルであらせられた咲野子様の頼みとあっては、無下にお断りするわけにもいきませんから」
 嫌味なことを嫌味ったらしい口調で言うと、露木はまた唇だけを歪めてふふんと笑った。


※全文をまとめ読みしたい方はこちらから!

[ 2016/11/01 11:15 ] 奪われた女たち ある妻と娘の場合 | TB(-) | CM(0)

突然ですが

明日から新作の連載を始めてみようと思います。

タイトルは「奪われた女たち――ある妻と娘の場合――」。

借金を抱えた夫が、債権者である妻の同級生に全てを奪われていく、
という内容のお話です。

更新は二~三日に一度を予定しています。ペースを上げる分、一回の
分量はぐっと抑えめにする方向です。おそらく大長編にはならないと
思うので、短期集中連載と考えてもらった方がいいかもしれません。

初めての試みで至らない点も多々あるかとは思いますが、できるだけ
多くの方にお付き合いいただければ幸いです。

では、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
[ 2016/10/31 16:12 ] お知らせ | TB(-) | CM(0)

プチNTR全集

プチNTR全集
プチNTR全集


離婚した母と二人暮らしの少年。そこに乗り込んできたのは、
見知らぬ中年男だった――。(『犯される母の、その横で』)

部屋のレンタルをした大学生。カーテン越しに様子を窺った、
その向こうには――。(『アパートの鍵、貸します』)

さえない少年の前に、NTRの神様を名乗る老人が現れた。
神様のくれたプレゼントとは――。(『NTRの神様』)

などなど、様々なNTRを一度に味わうことができる短編集です。

○収録作品

・犯される母の、その横で
・アパートの鍵、貸します
・サプライズ
・義母と、違和感と、同級生と
・思い出の君、今いずこ
・隣のお姉さんは、誰と
・夢と現実のはざまで
・キミハ、ココマデ
・あそびにんの存在意義
・ある復員兵の夏
・NTRの神様(書き下ろし)

42字×14行で358ページ(本文354ページ)となっております。

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[ 2016/10/30 12:20 ] プチNTR | TB(-) | CM(0)

プチNTR12~汝の隣人を愛せよ~

 安いマンションの壁は薄い。
 戸倉樹里(とくらじゅり)がそう痛感するようになったのは、隣の家に若い男が越してきてしばらく経ってからのことであった。
 原因は、夜な夜な聞こえてくる女の喘ぎ声。
 どうやらAVのようだが、これがとにかく神経に障る。
 たかがAVとはいえ、元々眠りが浅く慢性的に寝不足な樹里からすれば、これは大袈裟でも何でもなく死活問題であった。
「もう嫌。わたしこんなの耐えられない」
 目の下にくまを作り、悲壮感を漂わせながら、樹里は夫の達徳(たつのり)にそう訴えた。
「そう? 俺は別に」
 しかし達徳はといえば、妻の悲痛な叫びなど右から左のマイペース。気分屋で、気になれば細かく気にするが、気にしない時は全く気にしないというのが夫の性格であった。
「俺は別にって……」
 新婚当初は夫のこんなところもかわいく感じられたが、三年が過ぎた今となっては、もはや不快な感情を抱くことすらできそうにない。
「……とにかくわたし、一度話をしてくるから」
「うーん……まあ行くなら行くでいいけど、余計なこと言って怒らせたりするなよ?」
「……ええ、分かってる」
 あくまでも無関心に、それでいて微妙な上から目線で忠告してくる夫に、樹里は冷ややかな口調でそっけなく応じた。

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[ 2016/04/17 17:52 ] プチNTR | TB(-) | CM(0)

NTR風画像・6




宮川長春の「三侍」という作品らしいです。

詳細はよく分かりませんが、とりあえずNTR「風」の
画像なので、まあいいんじゃないかと(笑)。

この微妙な空気感が何とも素敵ですね。
[ 2016/03/29 15:19 ] NTR風画像 | TB(-) | CM(0)

ふと

気がつけば発売からちょうど一年。愛のすきまで交わっての販売数が
50にまで伸びました。

二桁いかない、それどころかゼロで終わることも十分有り得ると思って
いたので、この数字には正直ほっとしています。挿絵の一枚すらない
素人小説がよくぞここまで、などと勝手に自画自賛してみたり(笑)。

ともかく、これも全てご購入いただいた皆様のおかげです。この場を
借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

では、これからもNTR文芸館をよろしくお願いいたします m(_ _)m
[ 2016/03/01 11:48 ] 雑談 | TB(-) | CM(0)