山の中に、一人の赤鬼が住んでいました。
赤鬼は、人間たちとも仲良くしたいと考えて、自分の家の前に、
「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。
お茶も沸かしてございます」
と書いた、立て札を立てました。
けれども、人間は疑って、誰一人遊びにきませんでした。
赤鬼は悲しみ、信用してもらえないことをくやしがり、おしまいには腹を立てて、立て
札を引き抜いてしまいました。
そこへ、友達の青鬼が訪ねて来ました。青鬼は、わけを聞いて、赤鬼のために次の
ようなことを考えてやりました。
青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる。
そうすれば、人間たちにも、赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう、と言うの
でした。
しかし、それでは青鬼にすまない、としぶる赤鬼を、青鬼は、無理やり引っ張って、
村へ出かけて行きました。
計画は成功して、村の人たちは、安心して赤鬼のところへ遊びにくるようになりました。
毎日、毎日、村から山へ、三人、五人と連れ立って、出かけて来ました。こうして、
赤鬼には人間の友達ができました。赤鬼は、とても喜びました。
しかし、日がたつにつれて、気になってくることがありました。それは、あの日から
訪ねて来なくなった、青鬼のことでした。
ある日、赤鬼は、青鬼の家を訪ねてみました。青鬼の家は、戸が、かたく、しまって
いました。ふと、気がつくと、戸のわきには、貼り紙がしてありました。そして、それに、
何か、字が書かれていました。
「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。代わりにぼくは、君の
お母さんの身体をたっぷりといただきました」
「……え?」
赤鬼の顔が、一瞬で青鬼のようになりました。
「事情を話して迫ったら、簡単にヤらせてもらえました。もしかしたら、お母さんも
結構欲求不満だったのかもしれません」
「そ、そんな……」
早くに父を亡くして以来、たった一人で一生懸命に自分を育ててくれた、母。
息子の目から見てもまだ若く、十分すぎるほどに美しい母。優しい笑顔が、
赤鬼の脳裏をよぎります。
「ことの詳細は横に張ってある別紙を参照のこと。台詞は極力忠実に再現
しましたし、挿絵の構図もばっちりです。我ながらなかなかの仕上がりに
なったと思うので、よろしければぜひ、ご一読ください」
「そんな……」
赤鬼の膝が、がくがくと震え出しました。
「それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君と君のお母さんのやらしく
熟れた肉体を忘れません。さようなら。どこまでも君の友達、青鬼」
「っ……!」
赤鬼は、貼り紙に添付された別紙を引きちぎるようにつかむと、だまって
それを読みました。
「ほら、いいでしょ。挿れるよ、おばさん」
「あ、ちょ、ちょっと待っ……そんなおっきいの、ん、あぁっ……」
「うわ、きゅんきゅん締め付けてくるね、おばさんのここ。おっぱいやお尻も
むちむちですっごく抱き心地いいし、もう最高だよ」
「あっ、ん、そんな……そんな、こと、言わないで……」
「でも、ちょっと割に合わないかな。あいつは人間の友達がたくさんできて
幸せになったのに、こっちはもう住む場所すらなくなっちゃった」
「う、うん、分かってる。分かってるから、今日は気の済むまでおばさんの
こと、好きにしてくれていいから、だから、あの子には……」
「ほらほら、めった突きだよ! いいよね、気持ちいいよね! おばさん!」
「ん、あっ、やっ、す、すごい! すごい! い、いい、いいいいぃっ!」
「ふう、出た出た。四回目ともなるとさすがに薄いか。でもほんと、いい身体
してるよ、おばさん。今日だけで終わりにしちゃうの、もったいないくらいだ」
「ん……んっ……」
「あーあ、すっかりとろけちゃったね。たっぷりと中に出したし、もしかしたら
あいつの弟か妹、できちゃってるかも」
「……」
青鬼の言葉通り、その詳細報告はとても出来がよかったので、赤鬼はつい
二度も三度も読み返してしまいました。
「うっ、ううっ……」
赤鬼は戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。
悔しくて、情けなくて、泣いても泣いてもなみだがこみ上げてきました。
「うぅ、うぁあ……」
でもその時、赤鬼の股間についた小さな一物は、もうはちきれそうなほどに
膨らんで、射精の瞬間を今か今かと待ちわびていたのでした。