NTR文芸館

寝取られ・寝取り・寝取らせなどをテーマに官能小説を書いています

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愛のすきまで交わって・51


 和臣が初めて希恵子と出会ったのは、大学のゼミ室であった。
「鎌田(かまだ)希恵子です。よろしくお願いします」
「あ、は、はい。どうも、よろしく」
 恋に落ちるまでに要した時間は、きっかり一秒。
 いわゆる、一目惚れというやつだった。
「あるんだなあ、こういうこと……」
 それまでは「そんなこともあるのかな」程度だった和臣にとって希恵子との出会いはまさに青天の霹靂。大袈裟でも何でもなく、人生観が変わるほどの衝撃を受けた。
 希恵子は入学早々、あっという間にゼミのアイドルになった。
 元々が硬派な民俗学系で女っ気のないゼミだったこともあり、競争は苛烈を極めた。
 後で聞いた話では、クラスでも大変な人気だったそうで、ミスコンでもやればぶっちぎりの優勝は確実という状況だったらしい。
「鎌田さん、いいよなー」
「へっへー、俺希恵子ちゃんって呼んでるぜ。美人だし、性格もいいし、身体とかむちむちですっげーエロいし、もう最高だよなー」
「あー、何でもいいからああいう子とヤりてー。なんかチャンスねーかなー」
「……」
 正直、周囲の連中のがっつきぶりには少々引くものがあった。どれだけ女に飢えているのか知らないが、自分にはとても真似できそうになかった。
 だから和臣はできるだけ節度ある、紳士的な応対をするように心がけた。
 結果として、それは功を奏した。
 交際を申し込んだ日のことは、今でも鮮明に覚えている。
 前日は緊張のあまりほとんど眠れず、目の下にクマを作ったまま大舞台に臨んだ。
 場所は、大学から少し離れた小さなカフェ。
 講義が終わると、よくそこで熱いコーヒーを飲んだ。安い店で、初めて入った時はこれ多分インスタントだ、と心の中で苦笑いしたものだ。
 告白するならこの店で、というのは初めから決めていた。
 安かろうがインスタントだろうが、そんなことはどうでもよかった。とにかく自分の好きな場所で、好きな女の子に気持ちを伝えたかった。
「僕と、付き合ってください」
 ろくな前置きもないまま、和臣は率直にそう言って頭を下げた。
 その一言を口にするために、どれほど勇気を振り絞ったことだろう。あれほど心臓に負担のかかった言葉は、後にも先にも記憶にない。


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[ 2018/01/21 12:05 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・50


          *   *   *

 ここは、とある小さなオフィスビルのワンフロア。
「あれ?」
 古沢和臣は、不意に訪れた暗闇の中で驚いたように声をあげた。
 いつも通り一人で自主的なサービス残業を続けていたわけだが、その途中でフロアの電気を全部消されてしまったのだ。
「……やれやれ、またか」
 和臣は肩をすくめ、ため息をついた。
「よ、また残業かい。仕事熱心だね、古沢は」
「ほんと、真似できねーわ。でもどうせやるなら残業代はもらっとけよ。サビ残ばっかりだと俺達までやりにくくなるだろ」
 元々和臣の残業は同僚から嫌味混じりに冷やかされたり、苦言を呈されることが多い。
 その上さらにこんな目に遭うと、ただでさえ微妙なポジションしか築けていない会社にますます居場所がなくなったような気分に追い込まれた。
「……でもまあ、仕方ないな」
 和臣は小さな声で呟くと、手元のデスクライトとパソコンモニターの光だけを頼りに作業を続ける。目がちかちかしてくるが、もう一度灯りをつけに行くのは何かと煩わしかった。
「少し我慢すれば、済むことだ」
 思ったことを、そのまま独り言にする。
 何しろ今は妻に内緒でとんでもない額の借金を抱えてしまった身分。この程度のことで音を上げるわけにはいかない。
 黛に立て替えてもらったお陰で事態はだいぶ好転したが、それでも五百万という金が途方もなく重いことに変わりはなかった。
「とにかく……」
 今は地道に返済を続けるしかない。
 もちろん一朝一夕にはいかないが、それでも一生懸命働くしか道はないのだ。
 要領が悪いのか、なかなか通常の仕事を定時に終えられないため、今日もプラスアルファの残業はできそうにないが、それでも溜め込んで明日に持ち越すよりはよほどいいだろう。
「よし」
 自分に奮い立たせるように首肯すると、和臣はキーボードに乗る左手にちらと目をやった。
「……」
 見えたのは、蛍光白の光を受けて鈍い輝きを放つ、銀色の結婚指輪。
 あまりに地味な、何の変哲もない安物であるためちょっと恥ずかしいのだが、当時の和臣にとってはこれが精一杯の誠意だった。
「希恵子さん……」
 和臣が、妻の名前をぽつりと口にする。
 不意に、時間が逆流を始めた。


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[ 2018/01/20 11:48 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・49



「う、うぅ……」
 全裸にM字開脚の希恵子が、ベッドの上に座り込んでいる。
「ふふ。素敵な格好ですね、奥さん」
 椅子に腰掛けた黛が、その姿をにやにやと観賞していた。
「さて、と。ずっとこうしていたいがそうもいきません。ぼちぼち始めましょうか」
 黛がすっと立ち上がる。
「は、始めるって……何を?」
「ふふ、なーに、大したことじゃありませんよ」
 戸惑う希恵子にあっさり答えると、洗面所に置かれたアメニティをがさがさと漁り始めた。
「お、あったあった」
 秘密道具よろしく取り出されたのは、使い捨ての安全カミソリとシェービングクリーム。
「こいつに、ちょっとばかり活躍してもらうだけです」
 二本の指先で柄を摘み、まるでペンライトでも振るようにカミソリをちらつかせると、黛はほくそ笑むような顔で希恵子にそう語りかけた。
 ――そして、数分後。
 室内に、希恵子の陰部を鋼の刃で撫でる音がしょりしょりと響く。
「奥さんは元々薄いんでね。やりやすいですよ」
「……」
 黛の言葉にも、希恵子は口をつぐんだまま身動き一つしなかった。
 土手周りを走るカミソリの感覚が何ともむずがゆいが、ここで下手に動いて大事なところを切られでもしたら、それこそ一大事である。
「ふむ、我ながらいい仕上がりですね」
 手際よく希恵子の陰毛を剃り終えると、黛は満足げに一言呟いた。
「では、こちらへ」
 希恵子を風呂場へ導き、シャワーノズルを手に取ると、洗髪する床屋のように慣れた動きで股に残ったクリームをさらさらと洗い流す。
 身体を拭いて、再びベッドに戻った。
「見せてください。自分で支えて」
「……」
 仰向けの体勢で膝下から両足を抱えると、希恵子は黛に命じられるまま、つるつるの性器を見せつけるように足を開く。
「では、仕上げに入りますか」
 そう言ってにたりと笑うと、黛が希恵子の股間にゆっくりと顔を近づけた。
「ふんっ……!」
 始まったのは、クンニ。
 剃り跡に唇を張りつけると、毛根ごと引っこ抜くような勢いで皮膚を吸い込んでいく。
「んんっ……」
 いきなりの口撃に、希恵子があごを上げて小さく呻いた。
「ふむ。まだ足りませんかね」
 一旦顔を離した黛が、希恵子の恥骨を撫でながら首を傾げる。
「では、もう一度」
 さらに強く唇を押しつけると、ちゅうちゅう詰まった音を立てながら、貪るように希恵子の土手回りを吸い尽くした。
「うん、いいですね。これなら十分でしょう」
 自らの作品に納得した芸術家のように腕組みをしながら、黛が何度も首を縦に振る。
「……」
 希恵子は無言のまま、ひりひりとした痛みが残る自分の股ぐらを、恐る恐る眺めた。
「!」
 それはいわゆる、キスマーク。
 まだクリームの匂いが残る希恵子の股間には、ジャングルの蛭を思わせる黛の痕跡が一点、ごまかしようがないほどにくっきりと赤く、刻み込まれていた。


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[ 2018/01/19 11:43 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・48

「ちょっと失礼」
 希恵子の携帯電話を手に取ると、さっき放り出した自分のスマホと並べ、見やすい場所へと置き直す。
「……」
 自分の待ち受け画像は、笑顔の和臣。そして黛のスマホには、多分わざとであろう、さっき和臣に向けた発信の履歴が映っていた。
(こんな、ことまで……)
 不安と、恐怖と、怒りと、罪悪感と。
 混沌としてぐちゃぐちゃになった負の感情が、こぼれた水のように希恵子の心をじんわりと浸していく。
「お、どうやら奥さんも興奮してるようですね。濡れ具合がますますよくなってきました」
「そ、そんな!」
 ほとんど反射的に、希恵子は言い返した。
「そんな、ことは……」
 しかし、黛の言を完全に否定できるほどの自信はどこにもない。実際、さっきから穴の底のそのまた奥では、仄かなざわつきが芽を吹いて止まらないのだ。
(い、いえ……いいえ!)
 希恵子が何度も首を振って、懸命に自分の衝動を否定しにかかる。
 これは、自分の中にある恐れや罪の意識を、身体が興奮と勘違いしただけ。
 そうだ。
 そうに決まっている。
 そうでなければ、おかしいではないか。
 これだけ和臣に顔向けできないようなことをしておいて、その上興奮などするわけがない。その程度の理性、自分にはまだちゃんと残っている。
「ふん、まあこっちは別にいいんですけどね。奥さんが認めようが認めまいが」
 希恵子の葛藤をそう言ってあっさり切り捨てると、
「でも無駄だと思いますよ。奥さんがいくら否定しても、心と身体は連動しています。身体の方が反応するということは、心の方も当然……ということです」
 黛は淡々とした調子でさらに続けた。
「……」
 何も言い返すことができず、希恵子は黙りこくってしまう。痛いところをちくりと突かれたような気がして、自然と眉がひそまり、身がすくんだ。
「ふふ、黙ってしまいましたね。ではまたこいつの力で、そのいやらしい声を聞かせてもらうことにしましょうか」
 勝ち誇ったように言い放つと、黛は希恵子の身体を上からがっちり固めて、腰だけを細かく振るように抽送を始める。
「ん、んっ、んん、んんんっ!」
 ベッドに突っ伏す希恵子の声が、口を塞がれでもしたようにくぐもって響いた。
「この一発を出したら今日は終わり。あとは夜に向けての下準備です」
 希恵子の頭上からそんな言葉をかけると、黛は乱れ打ちのようなピストンを繰り出し、そのまま一気に射精までたどり着いてみせた。


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[ 2018/01/18 11:36 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・47

「……んっ」
「おお、つながったつながった」
 小声で喘ぐ希恵子をよそに、黛はスープでも混ぜるような動きでゆらゆらと腰を回した。
 すぐに、会話が始まる。
「ああ、もしもし。和臣くんかい?」
「!」
 黛の発した一言に、希恵子の顔がさーっと青くなった。
「いや、最近あの店に顔を出してないとマスターから聞いてね。何かあったのではと心配してかけてみたんだよ」
「おお、そうかい。ならいいんだが。で、どうかね? その後、調子は」
「なーに、気にすることはない。友人として当たり前のことをしたまでだよ。返済の方も焦る必要はない。まずは少しずつでも金を貯めること。話はそれからだ」
「それよりどうだい? 今晩、いつもの店で。マスターに顔を見せがてら、久々に」
「ふむ……残業が悪いとは言わんが、時には気分転換も必要じゃないのか? 前にも話したが思い詰めてもいいことは何もないぞ。今日は一つ私の顔を立てると思って、早めに切り上げてみてはどうかね?」
「いやいや、余計な遠慮や気兼ねなど無用。これも、いつも言っていることだな」
 時に親身に、時に諭すような声で和臣に語りかけながら、黛は音の出ないぎりぎりの速さと強さを保ったまま、丁寧な抽送を続ける。
(う、うぅ……)
 落ち着いた動きとは裏腹に、膣の中でむくむくと凶暴に大きさを増していく黛のペニスが、おぞましいほどの嫌悪感を希恵子に与えた。
「ああ、そうだな。それがいい。では夜に、いつもの店のいつもの席で。会えるのを楽しみにしてるよ」
 通話を切ると、黛はスマホを無造作にぽいとベッドへ投げ捨てる。
 スプリングで跳ねた機体が小さくバウンドして、滑るように枕の傍へ落ち着いた。
「いやいや、実に楽しい会話でした」
 含むような笑みを浮かべながら、黛が希恵子の背中や尻をすりすりと撫で回す。
「私が奥さんにアレを突っ込みながら話をしているなんて、和臣くんには想像もできなかったことでしょう」
「な、何て……何てことを……」
 背後の黛に、希恵子が最大級の憤怒に満ちた眼差しを向けた。
 まだ、心臓がドキドキしている。
 もし、和臣が何か不審に思いでもしたら。
 そう考えただけでも、希恵子の胸は不安と恐怖で潰れそうになった。
「ふふ、まあ奥さんの気持ちも分からないではありませんが、それは多分杞憂でしょうな」
 希恵子とは対照的に自信たっぷりの様子で、黛が言う。
「和臣くんが奥さんを疑うなんてことは、まず有り得ません。それにこう見えて、私も彼とは結構深い信頼関係を築いてますんでね。この程度なら何の問題もないと思いますよ」
「ど、どの口で、そんな……」
 希恵子は思わず吐き捨てた。あの人のいい和臣をこんな風に騙しておいて、それで一体何の信頼関係だというのか。
「いやあ、それにしてもなかなかにいい体験でした。改めて思い返しても興奮します。ほら、この通り」
 黛が、下腹部の筋肉だけで一物を反らすようにぐいっと持ち上げてみせた。
「んっ……」
 生き物のように体内を這う熱い塊の感触に、希恵子は顔をしかめて目を斜に背ける。
「ふふ。またたっぷりと出そうですよ、次の一発は」
 独り言のように呟くと、黛が希恵子を押し潰すように上から覆いかぶさった。


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[ 2018/01/17 11:47 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)

愛のすきまで交わって・46

「んっ!」
 一瞬の出来事に、希恵子の口から鼻にかかったような喘ぎ声が漏れた。
「……う、ううん。何でもないの。ちょっと喉が引っかかったみたい。ごめんなさい」
 そう取り繕うと、希恵子は何度か咳払いをしつつ、肩越しにぎろりと黛を睨んだ。
「ふふふ」
 だが黛はまるで悪びれることもなく、希恵子が正面を向いたのを見計らってまたゆっくりと腰を動かし始める。
「ええ。風邪とかじゃないから……っ……ええ、本当に、大丈夫だから。心配……しないで。うっん……ありがとう」
 何とか話を続けながら、身体の向きを変えてベッド近くを逃げ回る希恵子に、黛は両乳首をこりこりと愛撫しながらの緩やかなピストンを執拗に繰り返していく。
「……じゃあ、お仕事頑張って。でも、無理はしないでね」
 どうにか無事に会話を終わらせると、希恵子は全身の力が抜けたように携帯電話をぽとりとベッドに落とした。
(よ、よかった……)
 希恵子の心にまず広がったのは、どうにかばれずに済んだという、安堵。
「……」
 だがその次に襲ってきたのは、自分自身に対する深い罪悪感であった。
 やはり自分は、夫に取り返しのつかない嘘をついているのではないか。そんなどうしようもない不安が、希恵子の胸を否応なしに蝕んでいく。
「ふん」
 こっちを見ろと言わんばかりに、黛がぱん、と一つ希恵子を突いた。
「どうでした? 他の男に抱かれながら旦那さんとお話する気分は?」
「っ……」
 嫌味な薄笑いとともに放たれた問いかけに、希恵子の顔がみるみるうちに強張る。
「本当は思い切り突きまくってやってもよかったんですけどね。あの声我慢できないでしょ、奥さん」
「……」
 意地の悪い口調でさらに言い募る黛を、希恵子は怒りの表情で黙って睥睨した。
 やはりさっき思ったことは、性的な快感に惑わされての世迷い言。こんな男に自分の全てを委ねるなど、未来永劫あってはならない。
「ああ、そうだ。いいことを思いついた」
 ペニスを抜いてその場から離れると、黛は脇に置いたカバンからスマホを出した。希恵子の持つ古いガラケーとは違い、発売時に行列ができたとテレビで話題になった最新型だ。
「な、何を……?」
「なに、おまけですよ、おまけ。ボーナスステージです」
 希恵子の質問に、黛はとぼけた調子でそう返した。
「えーと」
 電話をかけ始めたかと思うと、希恵子をベッドに這わせ、丸っこい尻をつかみながら一物を注入する。


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[ 2018/01/16 11:58 ] 長編NTR 愛のすきまで交わって | TB(-) | CM(0)